短時間労働者雇用管理改善等助成金事業
17年度 PAGE12−5
    平成18年3月更新

ここがわからない?パートタイム労働者雇用に関する Q&A 30問 30答

<賃金>
12.パートタイム労働者の賃金はどのくらいが適当なの?
13.パートタイム労働者にも、時間外手当や休日出勤手当が必要なの?
14.予定の日に仕事がなくなった場合、休業補償は必要なの?
15.パートタイム労働者にも、昇給は必要なの?
16.パートタイム労働者にも、賞与は必要なの?
17.パートタイム労働者にも、退職金は必要なの?

Q12.パートタイム労働者の賃金はどのくらいが適当なの?
A12パートタイム労働者の賃金の決定は、
@社内における正社員と比較した相対的な賃金と
Aその地域における同業他社の同じ業務を行っている人の賃金
の2つのことを意識して決定することが大切です。
「職場における多様な労働者の活用実態に関する調査」(平成11年、独立行政法人労働政策研究)では、パートタイム労働者の1時間当たり賃金額の正社員に対する比率は、81%〜90%となっている事業所の割合が最も多くなっています。

しかしながら、パートタイム労働者であっても正社員と同じ職務内容、勤続年数、勤務日数、勤務時間、さらには仕事の成果に遜色がない場合、両者に賃金の格差を設けることに合理的理由を見出すことは難しいといえます。こうした、同一労働に従事するパート労働者と正職員間の賃金等の処遇の格差については、「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措
置に関する指針(パートタイム労働指針)」においても、均衡の確保を図るよう努めるものと規定されています。
なお、裁判の凡例として丸子警報事件判決(平8.3.15。長野地裁上田支部)では、「同一労働同一賃金の原則は、これを明言する実定法は存在しないが、人は労働に対して等しく報いなければならないとする均等待遇の理念が存在する。
待遇の差に使用者の裁量の余地があることは認めざるを得ないが、臨時職員として採用された職員が、正社員への転換等の道を準備されることもなく多年にわたり正社員と同等の労働に携わりながら、同じ勤続年数の正社員と比較して賃金が8割以下に抑えられてきたことは、公序良俗に反し違法である」として、使用者に正職員賃金の8割と臨時職員賃金の差額分の支払いを命じています。

Q13.パートタイム労働者にも、時間外手当や休日出勤手当が必要なの?
A13パートタイム労働者であっても、「労働者」には変わりありませんので法律(労働基準法)の基準を超えた場合、時間外手当や休日出勤手当は支給しなければなりません。
法律の基準とは、
時間外労働についてはr1日8時間、1週間40時間」を超えた部分休日出勤手当は、1週間に1回の法定休日のことを指します。
よって、一般的に正社員と比べ労働時間や出勤日数が少ないパートタイム労働者にとって、割増賃金の対象となる部分は正社員と大きく異なることが多いと思われます。
例えば、1日の所定労働時間が6時間、出勤日数が/週間に3目間のパートタイム労働者については、1時間残業をしたとしても1日の労働時間が8時間を超えないため、法律的には時間外手当を払う義務はありません(就業規則や雇用契約で所定労働時間を超えた場合、割増賃金を払う定めのある場合を除く)。また、1週間に4日間働いたとしても1週間に1回の法定休日を確保しているため休日出勤手当を払う義務も発生しないこととなります。

Q14.予定の目に仕事がなくなった場合、休業補償は必要なの?
A14パートタイム労働者であっても、雇用契約における労働日について会社による都合のため自宅待機させる場合、会社は平均賃金の6割以上の休業手当を支給する義務があります。
時給制のパートタイム労働者の場合、平均賃金の算定には、最低保障の特例があります。通常どおり、3ヵ月の賃金総額を3ヵ月の総歴日数で割って平均賃金を計算すると、出勤日数が少ない場合、著しく額が低くなるおそれがあるからです。最低保障の額は、「賃金の総額をその期間申に労働した日数で除した額の100分の60」です。最初に書いた暦日数方式で算出した平均賃金額と、最低保障の額を比べ、どちらか高い方が、その人の平均賃金となります。平均賃金は、平均賃金を用いるべき事由が発生した日の直前の賃金締切日を基準とします。
休業手当の場合、「事由が発生した日」とは休業開始日を指します。休業の初日がたまたま賃金締切日に当たっているときは、1ヵ月さかのぽった直前の賃金締切目を基準として3ヵ月を区切ります。休業が始まる前に、賃金計算を締め切ったけれど、まだ賃金をきちんと計算して支払っていないという場合、実際の支払日は関係ありません。あくまで締切目が事由発生目の前か後かをみて、判断します。
パートタイム労働者の所定労働日数が多いときは、たとえ欠勤日が多少あっても、100分の60の最低保障より、通常の計算方法で算出した平均賃金額の方が高いでしょう。この場合、欠勤分は平均賃金額にきちんと反映されます。つまり、3ヵ月間の総賃金額は欠勤控除した後の額を用いますが、総暦日数は変わりません。結果として、平均賃金の額は他の出勤率良好なパートさんと比べて、安くなります。しかし、所定労働日数が少ないと、最低保障が適用される可能性が強くなります。この場合、3ヵ月の総賃金額を所定労働日数(出勤が義務付けられた日数)で割ることはできません。「その期間中に労働した目数」とは、現実に出勤し、賃金を受け取った日数を指します。ですから、自己都合欠勤が多い人の場合、賃金は小額となりますが、「その期間中に労働した日」も同様に少なくなります。分子だけでなく、分母も小さくなるので、その人の最低保障額は、他のパートさんと同レベルという結果が出ます。欠勤は、平均賃金額に影響しないのです。

Q15.パートタイム労働者にも、昇給は必要なの?
A15パートタイム労働者に対する昇給については、労働契約の内容となる規則や慣行によってということとなります。例えば、パートタイム労働者就業規則において「会社の業績及び本人の人物・技能・勤務成績を考慮して、○月○目に昇給を行う」とした場合は、金額の等の裁量権は会社にありますが、公序良俗に反するような不当な差別に該当するようなことはできません。
「会社は会社の経営実績、本人の勤務成績、能率、技能等を考慮して昇給を行うことがある」と定めている場合は、比較的会社の自由裁量で決めることができることとなります。また、昇給の時期についてですが雇用契約期間のあるパートタイム労働者に
ついて、昇給を一律に○月○日に行うということは労働条件の変更となることから雇用契約期間についての誤解を生む原因となることもあります(例えば、9月1日から12月末日までの期間雇用契約者について4月1日に昇給させる旨の就業規則や契約条項は、長期雇用を期待させることとなる)。そこで、雇用契約期間のある労働者に対しては、契約を更新する際に、次期の労働条件として賃金の訂正を含めて行うことが合理的であるといえます。

Q16.パートタイム労働者にも、賞与は必要なの?
A16パートタイム労働者に対して、正社員と同様とはいかないまでも「寸志」や「金一封」などと称して賞与相当のものを支給しているケースが多数見うけられます。しかし、賞与については法律上必ず支給しなければならない賃金とはなっておらず、会社の就業規則等の定め方次第で扱いが変わることとなります。就業規則や雇用契約等で「7月と12月に賞与を支給する」ということが定められている場合は、金額の代償に関わらず賞与を支給しなければなりません。また「業績および本人の勤務成績等によって賞与を支給することがある」となっている場合は、支給するかしないかは会社の自由であり法的な拘束は受けません。
金額についてパートタイム労働者に対する賞与は正社員なみの水準にしなければならないという法的拘束はありませんので、会社独自の基準で決定することができます。

Q17.パートタイム労働者にも、退職金は必要なの?
A17パートタイム労働者において退職金制度は、ほとんどの会社で設けていないというのが現状です。退職金制度は、その目的として長期雇用に対する報奨金的性格があるため、長期雇用を前提としていないパートタイム労働者にはあまりなじまないものであるからです。パートタイム労働者に対しても退職金制度を設ける場合は退職金の支給基準(何年以上勤務をした人にいくら支給するか)を退職金規程等で明示しておく必要があります。ただし、この場合の支給基準は正社員と同じである必要はなく、パートタイム労働者独自のものでよいこととなっています。また、退職金の制度や規定を設けていない場合でも、過去何回となくパートタイム労働者で勤続が長かった人に退職金を支払っていたという事実があると、慣行化しているということで支払義務が発生することもあります。雇用期間の定めのある契約の場合は、期間満了毎に契約満了金とか、雇用期間中の出勤率から一定の良好勤務状況であった者に期間満了の際、協力感謝均等の名目でミニ退職金的な金額を支給するケースもあります。このような制度は、雇用期間の定めのある契約である趣旨を、明白にしていることとなるので期間雇用の性格に合致した制度といえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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